「南三陸町長の3年」を読みました。

震災直後からお世話になっている、宮城県・南三陸町。

その南三陸町・佐藤仁町長より直筆のサイン入り著書が3月末に届き、謹んで拝読致しました。
日頃、Facebookや実際にお会いしてお話を伺うなど、その活動に注目していましたが、この著書を拝読して、凄まじい3年間だったことを改めて思いしさらせています。

 

この一冊。一言で言えば、泣き笑いの連続です。絶望の震災直後から、様々な人々との出会いと、未来への思いを含め、激動の3年間を綴ったものです。どんな場所でも笑いを絶やさず、スタッフを信頼し、時には鬼にもなり、復興の二文字のために戦ってきた3年間。唯々、町を愛し、町の人々を愛し、支え続けてくれる人々に感謝の気持ちを絶やさない、そんな佐藤町長を表した一冊でした。

フリーライターの「石田 治」氏によるインタビュー形式ですが、時折、町長らしい文体が登場します。首長であっても町の人から「仁さん!」と呼ばれるほど、親しみやすい町長らしさが現れています。だから、本来なら伏せてしまいそうなことも敢えて書き記しており、うかつにも好奇心が高まります。そんな読み手の気持ちを惹きつけるものでした。天皇皇后両陛下のご来町時のスリッパのエピソードやオーストラリア訪問で得た情報など、町長ならではの視点が満載です。

被災地首長の方々の多くが、自著を出版されています。佐藤町長の著書は後発組です。しかし、それだけに復旧から復興にわたるこの3年間がよくわかります。政界再編や復興庁新設という出来事も交え、2011年や2012年ではわかり得なかったことが、詳しく語られています。そう言った意味では、後発組だからこそ書けた一冊なのかもしれません。

この本では「拾った命」という言葉が何度か登場します。志津川の防災対策庁舎で九死に一生を得た町長。多くの人命を失ったあの場所で、自らも命を落としそうになったあの場所で、偶然が生んだ九死に一生。それを町長は「拾った命」と呼んでいます。彼は、この「拾った命」を町の復興のために全て差し出し、全霊を込めて活動しています。還暦を過ぎた町長は、今も精力的に東奔西走しています。

著書の最後の言葉です。

「あの日」から、三年が過ぎました。
私たちの今を、どうぞ見に来て下さい。多くの方々に訪れていただけるだけで、私たちは励まされます。
まだ、十分なおもてなしはできないかもしれません。でも、いつかきっと、頂戴したたくさんのご支援や応援に恩返しさせていただけるよう、私たちは頑張っています。

南三陸町 町長 佐藤 仁

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